宮崎監督のインタビュー@週プレ

を読んできた。ちょっとがっかり。(以降原作のネタばれ含みます)

ゲド戦記の映画制作の裏話なんだけども、父親への反発とノリと流れで監督やっちゃいました、というのが見えてきてしまった。

そもそも宮崎アニメの前評判なんて結構当てにならない。もののけ姫も暗いだの意味わかんないだの言われていたけど結構面白かったし、ハウルも見ないほうがいいとか失敗作とかいわれてたけど十分楽しめた。

で、今回のゲド戦記も酷評が多かったけど、それは監督が伝えたいことが伝わりにくかったためで(批評家的立場をとるなら、この時点で駄目出すのは正しいのだろう)、時間がたてば評価が変わることはありうると思っていた。なんせ、ルグィン本人がOK出したというのだから、相応のプランはあったはずだ。

知らぬ人もなき大監督の無名の息子が初監督やるということ、彼がゲド戦記、しかも第3部中心に話を創ると聞いて、なるほどと思う人も多かったはずだ。
ゲド戦記は様々な読み方はあるだろうが、1部が青年の自分との対決、2部が男女の関係を暗示しているとするならば、第3部は父と子(もしくは師匠と弟子)の関係を暗示していると読めるからだ。
宮崎駿という当代まれに見る大魔法使いの、その無名の息子(王子)が物語をつくるというなら、これほどよく出来た話もない。

けれどもインタビューを読む限り、父との対峙も物語との対峙も中途半端なまま映画は作られてしまったようだ。だからがっかり。大魔法使いがひざまづくことも、竜に乗って引退宣言することもないのだろうか。

映画は見てみるつもり。いい意味で裏切ってくれないかな。


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